元記事はこちら。
https://www.sankei.com/article/20230119-V5WH2JU4CJM63MIH2AKF77KNSE/
Yahoo!ニュースの記事はこちら。
https://news.yahoo.co.jp/articles/cb56f4d23d3c0257ca29c148f180f3fb03be780b
教育へお金をかけることについての話題です。
人員配置にしても何にしても予算が必要であり、教員に対して残業代を正確に支払うと莫大な金額(年間1兆円)になるという試算もあります(リンクは東洋経済オンラインの記事)。
そんな中で今回千葉県が出してきたのは寄付のお願い。
名称は千葉県県立学校チャレンジ応援基金というものです。
千葉県県立学校チャレンジ応援基金について
千葉県教育委員会のホームページから引用します。
県立学校が自主的・主体的に実施を希望する取組等を実現するため、地域の住民や卒業生など、様々な方々から応援を受けることができるよう、各学校への寄附金を募集し、その適正な管理を行うため「千葉県県立学校チャレンジ応援基金」を設置しました。
https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/zaimu/challengekikin/challengekikin.html
この趣旨についてはいいのではないでしょうか。
気になったのはその使い道です。
教育活動の充実のために提案されたプランは6個、部活動の充実のために提案されているプランが10個、地域交流・地域貢献のために提案されたプランは6個となっています。
また、プランの概要及び目的の欄を参照すると、主に機材の購入や環境整備に充てられるようです。
寄附金額が一定額を超えると知事からの感謝状も贈呈されるようですが‥
なお税法上の優遇措置は受けられるようです(寄付なので)。具体的に個人の場合は、ふるさと納税ワンストップ特例制度や確定申告をすることにより、住民税の寄付金控除を受けることができるようです。
教員の視点から
こればかりは申し訳ありませんが、そもそも部活動に対する提案プランが最も多いというところに、まず地域性が現れていると思います。
部活動の地域移行などの話題も増えている現状があるのにも関わらず(だからこそ?)です。
やはり施設の維持管理の費用は決して小さくない金額です。
寄付の募集金額も群を抜いて大きなものになっています。
千葉県に限った話ではなく、全国的に部活動に対してどのように軟着陸するのかが課題になっていると思います。地域移行、外部委託の話も進むかのように見えましたが、実際にはうまくいきそうにありません(部活の地域移行期間「3年」見直し 自治体が「受け皿」不足訴え12/27記事)。
また、それ以外の提案プランにおいても機材の購入など設備面への充当ばかりです。
なお、Yahoo!ニュースについたコメントをいくつか紹介します。
“面白そうな試みと思って、各高校のプランを見てみたけど、応援したいものはなかった。”
“意味がわからん。教育に寄付? 予算で計上しなさいよ。 他力本願な教育は実らんよ。”
“部活動の充実!?!?!? 千葉県は、ニュースとか報道とか さっぱり見てないの???”
“教育には税金使えよっ!!”
https://news.yahoo.co.jp/articles/cb56f4d23d3c0257ca29c148f180f3fb03be780b/comments
ごもっとも、というコメントが並んでいるように思います。
東京大学ですら大学債を発行する時代
個人的に衝撃的だったのはこの出来事ですね。
日本の最高学府である東京大学ですら、大学債を発行することにした(しなければ回らない?)というものです。
詳細はこちら。
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/about/public-info/for_investors.html
調べていくと、他にも大阪大学や筑波大学でも大学債の発行が行われているようです。
大学の教授になったとしても研究費がない、というような話も出てきています。
また、東京医科歯科大学と東京工業大学という、日本屈指の2つの大学が統合されるというのも衝撃的でした。
名称は東京科学大学となるようですが、これについても賛否があるようですね。
おわりに
教育は国家の根底を支える人を創る活動です。
きちんと予算をとって充実させないと国の将来が大変になると思います。
これは足元の公教育(特に義務教育)もそうですし、高等教育(大学等)もどちらもです。
目先の対策ではなく、根本から意味のある対策を国にも地方自治体にもして欲しいものです。