5/7付で公開されたニュースは以下の3本です。
時系列順に掲載します。
小学校で欠員、新卒の男性教諭が免許発行前に“フライング”で授業…中学校の体育免許は所持、前校長が「無報酬だけど、来てくれないか」の要請 北海道小樽市(10:22更新)
https://www.hbc.co.jp/news/761087ed0a7e339c0d155480ef79f491.html
中学校の教員免許しかないのに…市立小学校で臨時免許発行前の男性が”無免許”で1週間授業 前校長が無報酬で勤務打診 北海道小樽市(11:59更新)
https://www.hbc.co.jp/news/edc5ecc2ec4225a15c6e63a8b0f4c656.html
“小学校の教員免許”ないのに無報酬で1週間授業 6時間分授業は「未履修」に 9日今後の対応を保護者に説明へ 北海道小樽市(19:31更新)
https://www.hbc.co.jp/news/4c125af97193d07f53de25c85c9422d1.html
2024年度最初の教育崩壊の報道は北海道から!?
概要としては、3月に大学を卒業した新任の男性教諭が、小学校免許の発行前に小学校で授業をしてしまったという内容になります。しかし、中学校の体育の免許しかもっていなかったため、小学校の臨時免許を申請しており、その発行前にやってしまった、という内容になります。
一応、対応としては免許発行前までの6時間分の授業は授業時間にカウントされない(=未履修)ということになりそうです。
なお、校長を含めた関係者の処分の可能性などにも言及されていますが、このあたりはYahooニュースでのコメントなども後ほど引用しながら考えていきたいと思います。
なお、臨時免許の発行時期が決まっていない段階で、前校長が4/1から無報酬だけど来てくれないかと要請し、男性教諭も後任の校長(現校長)も了承していたということです。
実際に免許一枚で変わるものなのかという観点から
もちろん、法令上はアウトといえばアウトです。
自動車の免許と比較しているコメントもありますが、個人的には少し的はずれかな、とも思います。自動車の場合は免許を取得する前後で講習その他が必須になってきます。一方で、今回の臨時免許は、やむにやまれぬ状況下で、申請するだけで期間限定の資格を与えるというものでしょう(厳密には違うかもしれませんが)。私が過去にお付き合いをさせていただいていた知人も、実は臨時免許を発行してもらっていた経歴があります。
Yahooニュースのコメントより
まずはこちら
当該免許を不所持でも、仮免許でバンバン授業させているような教員不足の実情があるのに、おかしな話ですね。 かたやユルユルの許可もあり、一方で厳格にこのような処罰を行う。そしてネットで全国ニュースに。 また、教育課程外の部活動は免許など関係なしに未経験の教員に押し付ける。 いろいろ矛盾がありますね。
本当にごもっともだと思います。
似たような切り口からのコメントをもう1つ。
元教員です。 6時間分が未履修ですか。夏休み前辺りに改めて時間をとって時数合わせの授業をするのでしょう。 そんな無駄なことは律儀にやらせるくせに、超大事な人員不足問題については対策なしの現場(校長)任せ。この責任の大元は教育委員会や文科省にあると思いますが・・・? また、この記事の「フライング」という言葉は使わなくても伝わります。過激な見出しによる閲覧数稼ぎはやめましょう。 ひとまずはこの男性教諭が気持ちよく職務に励めるよう祈ります。
また、批判の矛先は教員や校長だけでなく教育委員会に対するものもありました。
そもそも新卒で中学校免許。つまり授業経験は実習以外なしの先生。 その先生に臨時免許を発行して小学校の先生をやってもらうのだから、そもそも免許発行前だから6時間分は無効だなどどうでもいいんじゃないかと思うけど。 法に則ればダメだってのはもちろん分かるけど、中身で言ったら臨時免許があろうがなかろうが授業の中身は変わらないんで。 それより現場の校長が無報酬だけど早く来てくれってお願いしたり、臨時免許の発行を迅速に対応しない教育委員会の方が問題では? 校長が無茶なお願いをしたのだって人員居ないからなんとかしろって教育委員会が現場に押し付けてるから起きた問題。 困ってどうしようもないから臨時免許が必要だったんだから、とっとと発行すれば無報酬の件は別として少なくとも授業が無免許だったと言う問題は発生しなかった。
今後の展開にも注目です。
おわりに
この後、処分がくだされることはあるのでしょうか。
あるとすれば、対象は誰にでしょうか?
免許も所持していないのに善意で引き受けた新卒の体育の先生でしょうか?
やむにやまれぬ状況下でお願いすることになった前校長でしょうか?
それとも、新年度の責任は新年度から赴任した新しい校長先生でしょうか?
いずれにしても、目の前の子どもたちへの対応が手薄になることを避けての苦肉の策だったのではないか、という擁護的なコメントが多いのが救いです。
そもそも教員を確保できなかった教育委員会に責任があるのではないかという声も見かけます。
いずれにしても、未来を担う子どもたちに対して不利益が生じないことを祈るばかりです。
教員の働き方に対する抜本的な改革が求められているのは既にわかっているはずです。
どこも動き出さなければ、地方だけでなく、都市部でも崩壊が始まるでしょう。
連休明けから日本の未来が心配になるニュースのご紹介となってしまいました。
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