教職調整額の増額は人手不足と教職敬遠の打開策になるのか

働き方

話題としては8月の話になりますが、教職調整額を増額しようという話がありました。

参考までにいくつか記事のリンクをご紹介します。

教員の「残業代」3倍に増額へ、基本給の13%に引き上げの方針…実現なら50年ぶり改定(8/21付読売新聞オンライン記事)
https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20240821-OYT1T50174/

公立学校教員の給与、上乗せ割合4%→13%に改善を 文科省が要求(8/21付朝日新聞デジタル記事)
https://www.asahi.com/articles/ASS8P3VHCS8PUTIL01HM.html

ということで、両方の側面から見ていきたいと思います。

教職調整額「3倍」という意味

よく話題になっているのは、「3倍」という数字のような気がしています。

これが一見するとかなりのインパクトがあります。

しかし、実際は基本給の4%が13%になるということで、金額にするとそこまで大きい額にはなりそうにありません。

また、世の中に対しても間違ったメッセージを出してしまうことにつながりかねません。

「え、教員の残業代が3倍になんの?」という感じしょうか。

意味合いも金額も一般企業の残業代とは一概に比較することはできません。

一般企業の感覚で受け取られてしまうと、更に教員に対する心証が気になります。

動き出した点には一定の評価もあるものの

深刻な教員不足に対する解決策としては、様々な議論がなされていたと思います。

もちろん、今回のように金銭的な対価を増やすものもありました。

人員の増員ということも1つの可能性としてあり得るのだとは思います。

今回は、お金を増額するという方法で、ひとまず動き出すことになりそうです。

今まで目立った動きがなく、採用試験の早期化などの小手先の対応を自治体レベルでやっていただけだったので、それと比べると国が動き始めたというのは一歩前進なのかもしれません。

本当にやるべきなのは業務削減なのではないかという議論

教員の業務の範囲の拡大がそもそもの根底にあると思います。

道徳の教科化、英語教育、プログラミングなど、様々な対応が現代の教育現場には求められています。

それどころか、家庭での躾レベルの要求も少しずつ増えているような気もしています。

今回の教育調整額の増額ですが、必要な予算は1500億円という試算もあるようです。

そもそも、部活動の問題など、業務なのかという問題も含めて問題は山積しているようにも思います。

財務省としてどう判断するのか、どう判断されるのか、今後も注視しなければなりません。

1つの方向性が決まったという見方も

さて、そもそもは給特法を維持するのかしないのかという話もありました。

給特法を維持しなければ、残業代が支払われることになるのではないか、という話。

そうなると、無闇矢鱈と残業を認めるわけにもいかないでしょうから、業務の削減の方向に話が進むのではないかと期待した方もいらっしゃったかもしれません。

もう1つは、今回のような何らかの増額をするというもの。

ということで、2024年の方向としては、少なくとも給特法を維持するという方向で国は動きました。

もちろん、これでも無理だった‥ということになれば、また違う方向にシフトするのかもしれませんね。

おわりに

教員不足に拍車がかかり、秋の採用選考を行う自治体も少なくないようです。

少しずつ動き出しているのかもしれませんが、手遅れにならないように祈るばかりです。

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