デュマ法による酢酸エチルの分子量測定

実験観察

定番の実験といえば定番の実験になるかもしれません。

気体の単元って計算の演習ばかりで終わってしまうのよね

教員転職マン
教員転職マン

簡単操作で結果を出して計算練習もできる実験がありますよ!

生徒の実態に応じて最後のデータ処理を省略したり、補助したりすることによって気体の状態方程式だけではなく、蒸気圧の理解を深めることもできる実験になっています。

実験の原理

揮発性の液体試料を丸底フラスコに入れ、小さな穴をあけたアルミニウム箔でふたをして湯浴します。

そうすると液体試料はすべて蒸発して気体になり、フラスコ内は揮発した液体試料で満たされることになります。

これを室温まで冷却して蒸発していた液体試料を凝縮させ、質量の差から逆算することによって、 未知の液体試料の分子量を測定します。

厳密には液体試料の蒸気圧の分だけ(蒸発していた液体試料によって追い出されていた)空気の質量を補正するデータ処理もあります。

使用する器具と薬品

器具

  • 丸底フラスコ
  • アルミニウム箔
  • 輪ゴム
  • 500mLビーカー
  • 三脚
  • 金網
  • スタンド
  • マッチ
  • ガスバーナー
  • メスシリンダー
  • 電子天秤

薬品

  • 酢酸エチル(未知試料)

実験操作とポイント

まず、乾いた丸底フラスコとアルミニウム箔と輪ゴムの質量をはかります。

質量を記録したあと、丸底フラスコに未知の液体試料(酢酸エチル)2mLを入れ、アルミニウム箔でふたをして輪ゴムで固定します。

アルミニウム箔に直径1mm程度の穴を爪楊枝やシャーペンの先端などで空けておきます。

三脚の上に金網を置き、水道水を入れた500mLビーカーを乗せて装置を組み立てます。

その後、未知試料が入った丸底フラスコをビーカーの奥深くまで(底まで)入れてスタンドに固定します。

丸底フラスコが浮力で浮き上がってくるので、必ず手動で底の方まで沈めてスタンドに固定します。

また、丸底フラスコをできる限り加熱するために、ビーカー内に入れる水道水の量を調節(できるだけ多く)します。

装置が組み上がったらガスバーナーに添加し、ビーカーを加熱して水を沸騰させます。

水が沸騰してきたら、火を弱火にしてビーカーの水道水が吹きこぼれないようにしましょう。

丸底フラスコ無いの未知試料が全て蒸発したあと、更に3分間ほど水を沸騰させ続けます。

丸底フラスコ内をできるだけ未知試料の蒸気で満たせられるかどうかがポイントです!

十分に時間が経ったら、ガスバーナーの火を消し、丸底フラスコを取り出して丸底フラスコを水道水等で冷却します。

その後、フラスコのまわりの水をよく拭き取り、アルミニウム箔ごと質量を測定します。

質量を記録したあと、洗剤を使って丁寧に丸底フラスコを洗います。
(未知試料は有機物のため水ですすいだだけでは落ちにくいです)

洗い終わったら、フラスコの口まで水を入れて満たし、その水をメスシリンダーに移すことで丸底フラスコの体積を測定しまておきます。

考察とデータ処理

以上のデータから未知試料の分子量を計算します。

特に何も考えずに未知試料の分子量を気体の状態方程式で逆算するだけでも実験としては成立すると思います。

ちなみに、私が測定したデータで上記のように未知試料の蒸気圧を一切無視して求めた分子量は84.54‥≒85となりました。

実際の未知試料として使用した酢酸エチルの分子量は88.11なのでざっくりとした精度で分子量を求めることは可能です。

なお、更に未知試料(酢酸エチル)の蒸気圧を考慮する際には、酢酸エチルの蒸気圧と空気の密度を提示しました。

具体的には、蒸発した酢酸エチルによって押し出された空気の質量を(空気の密度)×(フラスコの体積)×(酢酸エチルの分圧)で求めて補正します。

補正というのは、蒸発していた酢酸エチルの質量に上で求めた空気の質量を足します。

このあたり、生徒に説明する際には図を用いて説明するなど配慮は必要だと思います。

ちなみに、私自身が予備実験をやった際に求めたデータは88.66‥となりました。

やはり未知試料の蒸気圧を補正したほうが、実際のデータに近づきます。

おわりに

今回はデュマ法による分子量測定の実験をご紹介しました。

傍用問題集などにも掲載されていますし、センター試験でも出題されていました。

見たことがないと何をやっているのかわからなくなってしまう生徒も少なからずいるように思います。

未知試料の蒸気圧を補正するところまでしっかり考察しきれると、気体の単元もかなり定着していると判定することができるのではないでしょうか。

もちろん、その前の蒸気圧の理解が追いついていないと苦しいかもしれません。

自分が担当している生徒の力量に応じて、実験のアレンジやヒントとしての補足情報の提示の仕方を工夫してみてください。

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