詳細は宇部市のホームページにあります。
https://www.city.ube.yamaguchi.jp/shisei/kouhou/kishahappyou/1008059/1017764/1018315.html
具体的な内容を見ていきましょう
宇部市立小中学校における働き方改革
公開日は2023年の2月15日となっています(Twitter等で話題になったのはもう少しあとでした)。
小学校
- 授業時間数を確保した上で、学校における1日の時間割を変更し、児童下校後、教職員の勤務時間終了までに、授業の準備等ができる時間を90分確保します。(令和6年度初めまでには全小学校で開始)
- この取組によって、児童の下校時間が繰り上がります。
- 繰り上がる時間は、学校・学年・曜日により異なります。
中学校
平日の部活動は、原則として教職員の勤務時間内で終了します。ただし、生徒の活動における達成感等を考慮し、大会やコンクール等の前は、校長の裁量により部活動の時間等を変更できることとしています。
※勤務時間は、学校によって異なります。(例:8時15分~16時45分)
小中共通
放課後、保護者等からの学校への電話連絡の受付は、原則18時までとします。ただし、緊急を要する場合(児童生徒の安心・安全に関すること等)については、この限りではありません。
この働き方改革の評価できる点
勤務時間内で授業準備等の時間を90分確保
これをどのように実現するのかは興味があります。
授業の終了、帰りの会などを行って15時頃に放課となったとして、教員の休憩時間は夕方に設定されている場合もあります。
これは、昼間は給食指導などで休憩時間として設定できないためです。
休憩時間45分と別枠で90分の授業準備時間が確保できるのか、なし崩し的に休憩時間も含めて授業準備時間90分となってしまうのかは注目ポイントです。
もちろん、授業時間数を確保するともあるので、年間を通して在校時間などの改善がなされていくのかもしれません。
児童の下校時刻が繰り上がるという表記もありますし。
部活動の終了時刻が勤務時間内
何かと議論を呼びがちな部活動。
私自身も部活動では苦い経験もあります。
金銭的な手当面だけでも公立・私立で大きな差があります。
(以下の記事もご参照ください)
昨今の教員不足もあって、部活動を外部移行するorしないの議論も加速しています。
部活動については教育的効果はあるにはあると思いますが、制度その他に大きな不備もあるでしょう。
これについて、勤務時間内に終了するというのは双方を納得させる妥協点としては妥当なところにも感じます。
対応時間の明言
保護者からの電話の受付時間を明言したのは意味があると思います。
最近では自動音声対応を導入する自治体も出てきているようです。
この働き方改革の疑問点や改善点
小学校では授業準備時間90分の確保が明言されているが‥
中学校では明言されていないのは気になります。
もっとも、教科担任制なので空き時間はあるだろうというご意見もあると思います。
配当時数が少ない教科と多い教科での差も出てくるかもしれません。
部活動について
今後の世の中の流れに応じて変更が加わっていくのかもしれませんが、今回の対応だと部活動は学校の内部で抱え込むことになってしまいます。
外部移行の流れが加速すればまた変わってくるのかもしれません。
現状、部活動は学校の中で抱える(受け皿がないから?)けど、勤務時間内までね、という落とし所なのかもしれません。
あとは、部活動がやりたい方々との温度差の問題は少し気になるところではあります。
電話連絡の受付時間
原則18時となっています。
勤務時間までにして欲しいという声もありそうですし、現実的には18時でもしょうがないという声もありそうです。
これについても、ひとまず無制限に対応するというのを辞めると明言したのは大きいと思います。
落とし所として、妥協点として1つ設定したという点では納得でしょうか。
おわりに
深刻な教員のなり手不足が表面化しています。
様々な自治体が対策に乗り出していますが、今回の宇部市の取り組みは一歩前進したものだと感じました。
最初に明言するのはかなり勇気が要ることだと思いますが、授業準備時間の確保にしても、部活動を勤務時間内にするにしても、学校への連絡時間についても、自治体から明言されるのは意義のあることです。
1つ明言する自治体が現れれば、あとに続く自治体も出てくるかもしれません。
一方で、原則という表記も見かけますし、大会やコンクール前、児童生徒の安心安全に関することなどの例外の設定もかなり文章表現にも配慮を感じます。
これが今後どのように実現されていくのか(されないのか)。
今後の行方を注意深く見守っていきたいと思います。
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