部活動は特に中学・高校の先生方にとっての大きな負担で問題になっています。
国レベルで外部委託の話もありますが、大半の現場に大きな変化はありません。
メディアに取り上げられることも増え、この問題が世間に認知されてきてはいます。
しかしうまい解決方法がなかなか出てきません。
学校の先生たちは部活動の顧問を担当せざるをえないのが現状です。
ブログ内でも部活の記事のPVが多い(実はそうなんです)のは、やはり現場の先生たちも情報を求めているのだと感じています。
今回は私が勤務したことがある4校について、部活動に対する意識や取り組み、手当などの待遇まで含めて比較したいと思います。
それぞれの学校に特徴があり、いいところも悪いところもあります。
10年間で4校、6つの部活動での経験を熱く語ります!
「都内公立」「A県私学」「B県私学」「都内私学」を比較します!
都内公立
最初に働いた公立中学校での実話です。
自分の希望する部活動をもたせてもらえたのが唯一の救いでした。
活動日数と振休取得の原則
国から部活動のガイドラインが出ているので毎日活動している部活はないはず。しかし自主練習という名目で活動して毎日やってる部活動もまだまだ存在します。
確かに音楽系の部活は、毎日練習をしないと実力が落ちていくのもわかります。多い部活はほとんど毎日活動、少ない部活は月に数回の活動というところでしょうか。
土日は自校での練習、他校との練習試合、大会への参加で活動をすることがあります。休日の活動自体は問題ないのですが、都の方針としては「半日分の振休を取得する」のが本来の原則だと管理職から言われました。
初任の1年間このルールを知りませんでした
しかし教員という仕事の性質上、平日に代休を取得するのは困難です。
そこでやむを得ず代休を取得できない場合の措置として、部活動手当というものが存在しています。
世の中の議論もすぐ「部活動手当」に焦点があたりますが、原則としてまずは振休を取得することを考えなければいけません。
若手教員に話を聞いていると、かつての私と同じで振替の休日を取得することができるのを知らない人も少なくないです。
部活動手当か振休か
通常の休日の活動の場合、4時間以上の活動(自校練習でも練習試合でも)で1日3000円でした。大会引率の場合、8時間以上の引率でも1日4000円でした。
交通費も昼食費も出ません。
担当していた部活動の公式戦は4~6会場に分かれていることも多く、これらの会場を行き来する電車代やバス代も含めるとかなりの金額になります。
肉体的にも金銭的にも部活動の負担は大きいです。
私の2年目の実践例ですが、大会引率時の4000円はお金として申請し、普段の休日の活動は振休を申請するように使い分けました。
ほとんど毎週のように土日に活動をしていたので振り替えきれないというのが1つと、少しでも手当の大きい大会引率費は支給してもらおうという考えです。
また、定期試験期間や長期休みなどの「振替先」がわかってきたのも理由です。
休日活動した日の前後2ヶ月以内に振替可能!
先生によっては夏休み中の夏季休暇5日と部活動の振休をつなげて2週間休む人もいました。海外旅行に行ったり、フィールドワークにでかけたり、自分のやりたいことに時間を有効活用することもできますね!
A県私学
次に勤務したのは某県の有名私学。
競技経験の無い部活動の顧問になって地獄を見た1年間でした。
学校の方針と特殊ルール
文武両道を掲げる県内で有名な私立学校。
完全下校時刻も夏場は中学で19:00で、高校に至っては19:30です。そして実績を残して「強化部」に認められるとこの完全下校時刻が30分延びます。
この「強化部」の特殊ルールは先生の間でも生徒の間でも差別意識を生んでいました。当然、平日の時間外手当はありません。
ルールもわからない、教え方もわからない、審判もしなければならない。活動時間も長くて憂鬱でした。
部活動手当はお金での支給のみ
この私立学校の部活動手当は1日4000円でした。これは休日の活動でも大会引率でも変わりません。
なお、交通費は出ました。しかも自家用車を使用した場合はガソリン代の申請も認められていました。
東京都は自家用車の使用は認められていないので、このあたりは融通が効いてさすが私学だなと思いました。
ただし公立と違って振休の制度は無いので肉体的には辛かったです。しかも私立なので土曜日も授業が半日ありました。
B県私学
3校目の勤務は別の県の私学。
自分の希望する部活動1つだけを担当するという点では理想的でした。
活動頻度と独自ルール
この学校は部活動を軽視していました。学力偏重、偏差値重視で「とにかく学習指導に力を入れる」と明確に方針として打ち出していました。
活動日は設定されているのですが、放課後の補習や講習が多く、部活動としては機能していませんでした。生徒の集まりや部活出席率も高くないです。
インハイ優勝して東大も合格する生徒も教えましたが
この学校の独自ルールとして、夏休み中の教員の勤務時間を4時間に減らすということをしていました。
土曜日に授業があることや休日の広報活動の多さを踏まえての独自ルールです。
部活動手当と独自ルール
休日の部活動手当は今までで最低の1日1000円です。
これは仕方ないかなと思います。学校が明確に部活を軽視しているので。
ただし、教員側も部活動よりは学習指導の方に力を注ぎやすく、教材研究の時間が取りやすいというメリットもありました。
休日を振り替えるという制度は存在しなかったものの、夏休み期間中は自動的に勤務時間が4時間になっている(しかもフレックス制)だったので負担は少ないほうでした。
担当する部活動も1つでしたし。
交通費も昼食代も出ませんでしたが、ここまで極端だと逆に納得することができました。
都内私学
私が過去に働いていた学校です。
教員目線で考えてくれる優しい学校ですが、3つの部活を担当しています。
学校の考え方と暗黙のルール
文武両道を掲げています。
学業も大切ですし、部活動などで心身を鍛えるのも大切なのはわかっている。そのバランスを生徒目線でも教員目線でも調整しようとしてくれています。
活動日数も文科省のガイドラインを基本的には遵守しています。その一方で、実績を残している部活動の活動日数が多いことには目をつぶっています。
あいまいなままなのがいい意味で機能しています
ただし、自分が希望している部活動を含めて3つの部活動を担当しているのは少し負担です。毎年、活動する曜日の調整も年度の初めにしなければいけません。
部活動手当とその範囲の広さ!
ありがたいことに部活動手当は1日6000円いただいています。
おまけに、交通費と昼食代も出していただいています。
この理由としては、登山部と天文部の存在が大きいです。
これらの部活は活動の性質上どうしても旅費がかかります。
その上、登山部は適切にエネルギー補給をしないと命に関わります。
このようなことを考慮して交通費も昼食代も全ての部活動に支給されています。
教員と生徒目線で考えてくれる職場です!
休日の活動を振り替える制度はありませんが、もともと休暇は取りやすい学校なので自分で調整しています。
まとめ
ここまで私が勤務してきた学校を比べてきました。
特に私立学校は考え方によって差が大きく、働きやすさにも直結してきます。
手当の額に価値を見出す人、休日の多さに価値を見出す人、それぞれいると思います。
自分が働きやすいと思える学校で、部活動も含めて働いていきたいですね。
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