教員0年目サークルのZoom会が週4回のペースで開催されています。
2月第1週は学級経営や担任の1日の流れというテーマになっています。
参加者の大半が小学校の先生ということで、Zoom会もベースは小学校の先生方中心になっています。
もちろん、中学・高校でも基本的な姿勢や考え方で変わらない観点も多いです。
今回の記事も流れに沿いながら、中学高校目線で補足していきたいと思います。
あくまで教員転職マンの場合です!
自己紹介について
Zoom会でも話題になりましたが、何かと自己紹介をする機会は多いです。
学級担任であれば、ホームルームの最初のタイミング。
中学高校以上であれば教科担任制なので、それぞれのクラスの最初の授業のタイミング。
他には部活の年度初めのミーティングなど、本当に様々です。
基本的には、自分が考えていることや大切にしていることを自分の言葉で述べることができれば大丈夫だと思います。
あまりにも無策すぎると「え、それだけ?」みたいになることもあるかもしれませんが、練りに練ってスベることもあると思います。
教員を10年以上やっていると、自己紹介で悩むことはないですし、悩む初任者を見て「初々しい」と思ってしまうのはもう中堅ということなのでしょう。
自己紹介とは少し違いますが、進路が関係する中学3年生の担当になると(副担でも)、業者さんや高校の進路担当の先生があいさつ回りに来ることも多いと思います。
自分も中学3年生担当だったときは学年で名刺を作って対応をしていました。
民間企業であればマナー研修等で名刺交換などをやるかもしれませんが、そんなやりとりもスムーズにできると良いかもしれませんね。
対応するのに手一杯でそんな余裕は自分もなかったですが
子どもは先生のことをよく見ている
話そうと思えばいくらでも出てきてしまいそうなので(笑)、私自身の初任の時のエピソード1つに絞ってお伝えしようと思います。
それは授業も軌道に乗って単元が大きく変わった2学期の頃のお話です。
先生、最近今まで以上にイキイキと授業してますよね!
え、そうかい?
自分じゃ全然そんなこと気づかないけど
イオンの授業になってから特にそう感じるんですよねー
会話の内容としては、本当にコレくらいなんです。
でも、これって実は超超超超超核心をついた発言なのです。
ブログの他の記事を見ていただくとわかるように、自分は理科の先生といっても専門は化学です。
1学期から2学期の途中まで、いわゆる物理分野(力とかエネルギーとか)をずっと扱っていたんですね。
で、単元が変わって、イオンとか酸・アルカリとかの化学分野の勉強になったわけです。
自分の専門領域になったので、知らずしらずのうちに、熱が入っていたのかもしれません。
子どもたちって、こんな感じで大人が自分でも気づかないようなことにも気づきますよ!
公平と平等について
これはどの校種でも難しいのではないでしょうか。
日常生活でもそうですし、学習面でも同じです。
生徒指導でもきちんと話を聞いて当事者間で納得しないと、あとあと不満が尾を引いたり、くすぶって別のトラブルにつながらないとも限りません。
学習面では特に、高校入試が関係してくる中学生だとなおのこと敏感になります。
授業中のサポートや声掛け、放課後の支援なんかは公平さを意識しつつ、成績処理などは平等にする、というのは当たり前なんですけれども。
小学校は小学校なりの、中学校は中学校なりの難しさはあるように思います。
中学・高校の先生の1日
7:00(6:20) 出勤
朝練が無い場合は7:00出勤で8:00頃到着、朝練が7:30からある場合には6:20出勤で7:20到着という感じです。
この時点で部活動に対して「うわぁ…」という声が聞こえてきそうです。
自分が初任者だったときは運動部の顧問を任せられましたが、前任の先生と入れ替わりで引き受けたため、引き継ぎが一切ない状態で始まりました。
そして、前の運動部の顧問の先生は、土日も朝練もガッツリやってチームをとても強く育て上げる方針で活動されていました。
強いチームを引き継ぐと大変ですよ…
少なくとも3年生については、引退するまでは同じペースで練習をさせてあげて欲しいと周りの先生方からも言われていたので、こんな感じになっていました。
朝練は7:30~8:10とかです。
8:25 職員朝礼→朝学活
朝の伝達事項などをできるだけ短時間で確認して教室へ。
自分がいた学校では「毎日短時間で」を意識していましたが、遅くなることもちょくちょくありました。
最近ではいろんな学校で終礼にしようという動きも増えてきているように感じます。
会議も出来る限り削減を、という風潮は自分が公立を退職する頃からありました。
うまくICTなどを使いながら時短できるといいですよね。
話を戻すと、この打ち合わせが終わり次第、担任の先生は自分の教室で朝のホームルームへ。
伝達事項と出席の確認を行います。
副担任の先生は、校内の見回りと昇降口の清掃などを分担して行っていました。
昇降口の清掃をしていると、遅刻してくる生徒にも声掛けができます。
また、下駄箱を確認すると(上履きが残っていることから)誰が来ていないのかも把握することができます。
8:50~12:40 午前中の授業(1時間目~4時間目)
小学校と違って中休みはありません。
淡々と授業が進んでいきます。
左側が初任の時の時間割で右が何年か前の私学の時間割です!
TT加配をしていた学校だったので、自分は3学年とも全てのクラスに顔を出していました。
あとは、お互いに手の空いているときは手伝いに行こう、という方針で、特に実験観察の時は声を掛け合ってT2として積極的に入って助け合うということをしていました。
苦しかったのは、T1が2学年にまたがっていたこと。
(私学の中高一貫で勤務したときには同時進行で4学年を担当したこともありますが)
他の先生方は自分の学年の授業を1種類だけ進めればいいのに、自分だけ2種類の授業を同時進行しなければいけませんでした。
火曜日午後の初任研は、実施される週は各研修地に出張して研修を受けるというパターンです。
学活や総合の時間は、副担任だから暇なんだろうと思うかもしれませんが、そうではありません。
担任の先生が回収した書類を出席番号順にして提出状況をチェックするとか、必要な画用紙と模造紙と色ペンを仕分けて届けるとか、裏方の作業があったりします。
4クラスの人数を半分にして8グループ編成にして、教室4つとパソコン室と理科室と図書室(AグループとBとグループ)に分かれて活動する、なんていう場合には副担任もどこかの監督をしなければいけなかったりするので、空き時間は思った以上にありません。
そういう観点で考えると、右側の私学の時間割のほうが余裕があるように感じてしまうかもしれませんね。
私学では空き時間で次の学年の内容に頭を切り替えることができました
12:40~13:30 給食・昼休み
慣れるまでは担任の先生が教室での準備に携わることになると思います。
副担任の先生は給食の受け渡し場所とか、途中の廊下の見回りとか、分担して立っていたりします。
学年の方針にも依るかもしれませんが、交代交代でローテーションを組んで、他のクラスで給食を食べたりすることもありました。
そういう場合は、副担任の先生が教室の中で指示を出す。
担任の先生が代わりに廊下に立っていたりする。
生徒は生徒で違う先生が立っていると新鮮に感じたりもするようです。
お昼休みは、小学校とは違って先生が生徒と一緒に遊ぶということは中学高校ではほとんど無いのではないでしょうか。
13:35~15:25 午後の授業(5時間目~6時間目)
特にありません。
午前中の授業の項目と同じ感じです。
15:30~18:00 終学活→清掃→下校→部活
ということで最後の終学活。
伝達事項を確認して、挨拶して解散。
清掃については、お昼にやる学校もあるかもしれませんね。
解散後は、部活の指導があります。
部活動の問題は何かと話題になりますよね
字の練習
しておいて損はないと思います。
一応、中学校以上であれば、多少汚くても忖度して読み取ってくれます。
板書の量も小学校の頃よりも多くなることが予想されます。
字が小さくなったり、見えにくくなったりすることはありえます。
汚い分、大きく濃く文字を書くから許して!
と言っていました。
苦情が来たことはありません。
板書の練習
自分はしたことはないです。
どちらかというと、手元で書く内容を精選するタイプでした。
判読できる字を黒板で横向きに書くことができるようになったら、授業1時間分の内容を精選してノートにまとめ、行数も書く場所も黒板上で再現するだけ、というイメージです。
あとは必要に応じて、写真や資料を空いたスペースにマグネットで貼るとか、動画を撮影しておいてモニタに映し出すとか、工夫はしていました。
新学期に話す内容
子ども向け
基本的なクラス運営の方針と大切にしたいことを話します。
大切なのは、他人の受け売りではなく、自分が心の底から思っていることを自分の言葉で語ることではないでしょうか。
自分の場合は、毎日平和に暮らしたいという感じでしょうか。
ちょっとした気遣いが自然にできて過ごしやすくしたいな
そんな感じでしょうか。
あとは、時事ネタ(ニュースなど)に絡めつつ、生徒が納得したり共感したりしやすいような具体例なんかを話したりする感じでしょうか。
保護者向け
基本的には同じような話を大人の言葉に置き換えて説明する感じでしょうか。
あとは、勉強面について気になる点を伝えることもあります。
2学期に勉強する不定詞は中学英語のヤマの1つなのでこの時期はよくご家庭でも様子を見てあげてください
とか。
ただし他の教科の内容に言及する場合には、教科の担当の先生とか、学年の中でどこまで言うのか言わないのかとかそういう事前の打ち合わせは必要です。
あのクラスでは言っていたのに、自分のクラスでは言われなかったという問題にも発展しかねません。
ピアノは弾けたほうがいいか
中学・高校では音楽の先生がいらっしゃるので基本的にピアノを弾くスキルは必要ないはずです。
弾けるとちょっと人気者になれたり(笑)、合唱コンクールの場で活躍できたりすることはあります。
合唱コンクールもいろんなことが言われますね。
基本的には生徒の自主的な活動とか。
担任の先生もしっかり関わっていいとか。
ちなみに私はピアノが弾けます
ということで副担任だったときは、音楽の先生から全クラス分の楽譜を入手しておき、こっそり練習しておいて、伴奏の子が風邪で欠席して練習ができないというような時に助けにいったりしたことはありました。
あとは、公平に、どのクラスにもちょこっとずつアドバイスをしながら、学年全体の雰囲気を盛り上げていくとか。
どうしてもクラス担任はクラスにかかりっきりで、クラス対抗戦の要素もあるので、全体の雰囲気を盛り上げることはできません。
そこで副担任が学年全体を横断的に見て回って、いい感じにモチベーションを上げていくわけです。
水泳はできたほうがいいか
中学・高校は体育の先生がいらっしゃるので、水泳はできなくて問題ないはずです。
もっとも、水泳を教えたこともあるんですけれど。
部活の指導をしていて、生徒がこんなことを言ってきました。
先生!今年はプール練習は無いんですか?
ん?んん!?(困惑)
どういうことかというと、夏休みの練習を頑張ったご褒美に、部活の練習後にプールを使うということをやっていたそうです。
強すぎる部活を引き継ぐ弊害がこんなところにも…
そもそも使っていいのかがわからないし、水の事故にもなりかねないのでやるつもりはなかったのです。
しかし。
今年は部活でプール使わないのか?プールの中の水を循環させないと濾過器の調子が悪くなるからできれば使ってほしいんだけど!
ということがありました。
なんとなく事情も見えてきたものの、責任が重すぎるということで最初は拒否していたのですが、日頃からご迷惑をおかけしまくりの体育の先生だったので、一緒に見てもらうことを条件に腹をくくってプール練習もやることにしました。
できるときに、できることを、できるかぎりやっておけば、逆に忙しくなったときでも生徒も納得してくれる側面もあると思います。
一方ではやりがい搾取だ、なんて声も聞こえてきそうではありますが。
で、結論から言うと、夏休みの間に顔上げビート板状態の生徒を、クロールで25メートル息継ぎで泳げるようにしたこともありました。
(自信の無い人はマネしないように!)
日々の授業準備はいつしていたか
こればかりは最初の1年間は家に帰ってからとか、土曜日の部活の前後とかにやっていました。
特に理科は実験もあるので、落ち着いて予備実験をしたいということもあったためです。
本当はオススメしたくはないのですが、学校で働くことに慣れるまではある程度仕方ないかもしれません。
ただし、授業準備に必要な時間は、個々の能力によって異なると思います。
自分自身が小学校・中学校・高校と勉強に力を入れていた方であれば、小学校の時にこの内容をを学習しているはずだから、その既習事項を確認しつつ中学校の内容を広げていくことは容易です。
また、高校でどういうことを学ぶのかが頭に入っていれば、自然と中学生のうちにこの部分を重点的にやらなければならないというのも見えてくるような気がします。
学習指導要領をじっくり確認する時間はありませんが、指導要領が改訂されたときに、変更点くらいはざっとチェックします。
あとは各単元の指導内容の項目くらいはどこかのタイミングで目を通しておくとよいです。
項目を確認したときに、「この項目で言いたいことはこういうことでしょ、板書でもこう書いたから抜けてないはず!」というのがパッと頭の中に浮かべば大丈夫です。
授業準備なしで授業をすることは
中学・高校の場合は教科担任制なので、考えなければいけない授業の数はそんなに多くないはずです。
準備なしで授業をすることはやめましょう。
小学校の先生と違って、担当しているクラスの回数だけ同じ授業を出来るというメリットも教科担任制にはあります。
回数を重ねながら、その授業の完成度を高めていってください。
次に同じ授業をするときには、ある程度完成されている状態までもっていけるはずです!
前回の記事についての質問
以下のような質問がありましたので、紹介させていただきます(ご本人にも確認済み)。
ちなみに、前回の記事はこちらです。
具体的には「はんこ」のところです。
はんこで緑色を愛用しているのはなぜ?
いい質問ですねー!
実は、この経緯も合わせて記事に書こうかとも思ったのですが、まだ先生になっていない方にはちょっと刺激が強いかなと思って書かなかったんですね。
私が緑色の検印を使うことになった理由、それは…
ハンコを複製されてしまったことがあります!
特に100均で売っているような簡易すぎるものだったりすると、生徒もお小遣いの範囲で買えることができてしまうので要注意です。
あとは、こっちが「逆にどうやってここまでキレイに複製したんだ?」と思わず聞いてしまいたくなるような見事なものもありました。
もちろん、頻繁に発生するようなことではなく、レアケースのはずです。
朱肉で押したハンコを複製されたこともあります。
ご両親そろって朝一番で謝罪に来られました。
両親揃って朝7:30に職員室にいらしたので騒然としてました
こんなことがあって以来、ハンコの種類も増やしました。
種類を増やすと同時に、インクの色の種類も増やしました。
カンニングぐせがある子は傍に立っている時間を増やしてそういう行為をさせないというのと同じで、はんこの種類が多いと何種類も複製するのは面倒だよね、みたいな観点もあるかもしれません。
参考になりましたでしょうか。
おわりに
4月から先生になる方向けの記事第2弾になります。
今後も折に触れて書いていきたいと思います。
ブログのトップページもそのうち見やすく整理しますね。
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