化学(もちろん科学も)は歴史に大きく関わっていた、ということを教えてくれる1冊。
歴史上の偉人のエピソードだったり、ちょっとした小ネタを断片的に聞きかじったことがある人も多いと思いますが、そういうネタが満載。
この種の小ネタは知識の断片で終わってしまいそうなのですが、前後のつながりも書いてくれているので、自分の豆知識が太くなっていくのを感じます。
それこそ、古代の○○テレスみたいな時代の考え方から始まり、最後のほうは核反応の話まで網羅している。
高校の化学史はこれを1冊課題図書にすると面白いのではないだろうか、とも思ってしまいます。
それぞれの偉人をデフォルメして描いた人物画もかわいらしい。
Amazonのサイトであれば、少しばかり内容を参照できるので見てもらったほうが早いかもしれません。
ファラデーがデフォルメされた人物画が掲載されています。
あとは、どのようなテーマの内容が扱われているのか、章立ても掲載されています。
文章が多いのかと思いきや、人物画以外の挿絵も充実しています。
かなりイメージしやすく構成されています。
題材も、燃焼から始まり、ガラスだったり、金属だったり、周期表だったり、有機物だったり、核反応についてだったり、それぞれの時代のキーになるものが時代背景やら人物の功績とともに記載されています。
どうしても、西暦1000年までの内容より1000年以降の内容が多くなってしまうのは仕方ないと思いますが、それでも様々なことが記載されています。
どこまで題材に触れていいのか、ネタバレを気にしながら記事を書いていいのかわからないので言葉を濁しがちになってしまっていますが、質も量も、とっつきやすさもある本だと思います。
発売日は2021年の2月で、私が聞きつけて購入したのは3月中旬。
実は職場の同僚の化学系教員も買っているという話を、図書室の司書さんから聞いたのが、つい最近です。
400ページ近くもあるのに、全然読むのが苦にならない本です。
項目ごとに独立しているので、どこから読んでもいいというのも読みやすい理由の1つかもしれません。
石油とかプラスチックの話だけ読みたいな、とか医薬品のところだけ読みたいな、など。
それぞれの題材は30ページ程度で完結しているので、パッと読めてしまうのがいいです。
そして、ほとんどのページに挿絵や図表があるので、見開き全てが文字で埋め尽くされているページのほうが少ない、というのも読むペースが上がる一因だと思います。
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