大人にも、子どもにもオススメしたくなるような本を久しぶりに見つけました。
本を知った経緯は失念しましたが、本の帯にはあさのあつこ氏をはじめとして名だたる著名人が絶賛しているという文言が。
あさのあつこ氏は『バッテリー』の著者ですね!
作者の鈴木るりかさんはなんと中学生作家。
文体はどちらかというと親しみやすいような言い回しをしています。
大人であれば2時間くらいで読めてしまうかもしれません。
テーマとしてはいくつかデリケートなものもあるので、子どもに薦める場合には少し注意が必要かもしれません。
大きなテーマとしては、母子家庭とか、離婚とか再婚とかが気になるところでしょうか。
また、中学受験にまつわる家族内の関わり方なども少し気になる子はいるかもしれません。
特に関東地方で受験率が高かったりすると、妙にリアルな感じになってしまうかもしれません。
以下、小学館のホームページより引用します。
田中花実は小学6年生。ビンボーな母子家庭だけれど、底抜けに明るいお母さんと、毎日大笑い、大食らいで過ごしている。そんな花実とお母さんを中心とした日常の大事件やささいな出来事を、時に可笑しく、時にはホロッと泣かせる筆致で描ききる。
https://www.shogakukan.co.jp/books/09386484
出版社のレビューだけあって、なかなかうまくまとめてあると思います。
以下、もしかしたら少しネタバレも含んでしまうかもしれませんが、ざっくりと概略だけ。
主人公の田中花実の家庭事情と、何人かの親しい友人、大家さんとかスーパーのおじちゃんなどの生活環境に関連する大人が主な登場人物(ネタバレ?)で、登場人物がそんなに多くないからもしかしたらスッと内容が入ってくるのかもしれないと感じました。
多人数が関係する複雑な人間関係というよりは、主人公の家庭環境を主軸に置いて、いくつかのエピソードが展開されています。
主人公の環境だけ把握すれば、物語の中に入り込めるという印象です。
登場人物も必要最小限なので、状況を整理しながら読むこともあまり必要なく、どんどん読み進められると思います。
時系列が多少前後する作品があったりもしますが、主人公のご家庭の価値観がわかりやすいため、あと付けの時系列の作品でも違和感なく読めます。
そして何よりもいいと思う(あくまで個人の感想)のは、基本的に辛いことも笑い飛ばせるような明るい作風であり、時にホロリとさせるような展開もあるということ。
もちろん、読む人とその人の背景事情次第では、注意が必要なテーマを扱っているのですが‥
大人が読んでも元気をわけてもらえるような一冊だと思います!
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