小論文対策の記事を今まで書いてきました。
教職教養や専門教養は机の上の勉強なので自分で足りないところも把握しやすいです。
小論文も不安だけど面接や集団討論も不安だなぁ・・
小論文対策が佳境に入ってきて1次試験も近くなってくると、次の2次試験への不安も大きくなってきます。
今回の記事は小論文対策と面接対策が実は根本でつながっているという話です。
逆に小論文対策をこの時期にしっかりやっておくと面接対策も捗ります!
小論文対策が面接対策につながる理由
アウトプットの方法が違うだけ!
小論文では
ある問題に対して、小論文試験では原稿用紙上に自分の考えを記述します。
文字数は1000文字前後です。
紙の上に記載する上に分量も多いので、書く側も様々な対策を論理的に構成していかなければなりません。
面接では
やはり面接官の問いに対して回答しますが、口頭で自分の考えを述べます。
長く話してしまうと伝わらなくなるので、簡潔に述べることを意識します。
簡潔に自分の考えをまとめるためには、論理的に話さなければいけません。
教育について論理的に語る点で同じ
面接練習をしていると、この論理的に話すことを苦手にしている学生が多いです。
「その点に関して私は●●と考えます。理由は▲▲だからです。」
「この問題に対する解決策の1つとして◆◆をすることが挙げられます。また★★をすることも効果的と考えます。」
たいていは上記のように2文で答えるのが良いです。
この2文で答える内容を小論文対策で紙の上に行っていることになるわけです。
多様なテーマの対策が事前にできる
小論文のテーマとして出題されるものは、現場の先生であれば思わずあるあると思ってしまうものが多いです。
そのため具体的な解決策や取り組みを提示できる内容になっています。
の解決策や取り組みを提示できない人は、現場の肌感覚とは遠いです。
合否の判断基準は自治体によって様々ですが、現実的なものを一定以上書けていれば極端に点数が悪くなることはないはずです。
そしてテーマは我々教員に関するもの、指導方法に関するもの、子どもに関するものがありますが、どれも大切な内容です。
幅広いテーマに対して事前に対策ができるのはありがたいことです。
一度取り組んだことがあるテーマなら、面接の場面で突然聞かれても回答することができるようになります。
小論文対策を面接対策につなげる方法
1つのテーマについて小論文を徹底的に書く
小論文対策をたくさんやったからといって、上手く書けるようにはなりません。
いろんな自治体の小論文に取り組んで数をこなしても意味はありません。
むしろ1つのテーマについて深堀りする作業が必要です。
この深堀りの作業が大変なので数だけをこなして対策した気になってしまいがちです。
勉強と同じでとき直しとか見直しが大切なのです。
とき直しをしないで色んな問題を問いていても、結局できるようにはなりませんよね?
考えの深さを追求する
私が面接対策をやっていて学生に伝えているのは2段階目の質問にまで答えられるようにしておくということです。
【1段階目の質問】
言語活動を充実させるために、あなたは教員としてどんな取り組みを行いますか?
はい。言語活動の充実のために、私は基礎基本を徹底させるとともに話し合い活動を取り入れた双方向の授業を行いたいと考えています。
【2段階目の質問】
なぜそのような取り組みを行うのですか?
はい。まず正しく日本語を使って、正確に知識や考えを伝える点で基礎基本は重要だと考えます。また実践する場も必要なので、教員が携わる授業という場を活用したいと思っています。
面接官側は、受験者の回答に対して永久に「なぜ」「どのように」という問いを繰り返すことができます(私は「エンドレスなぜ攻撃」とよんでいます)。
この問いかけに早い段階で行き詰まってしまうと、自分の考えの浅薄さが露呈してしまいます。
1つのテーマに対して面接官と何往復かやりとりできるように自信をつけるためにも、事前に小論文対策で紙の上で記述する練習をすることが有効になってきます。
考えの広さも追求する
大きな問題テーマに対しての対策は1つではありません。
様々な対応を複合させて併用しながら現場では取り組んでいきます。
その対応に広さも意識しておかなければいけません。
そのためにも教員採用試験の小論文が対策になります。
大きなテーマに対して、2つの対策を書かせる自治体も多いです。
【1段階目の質問】
子どもたちの自己肯定感を高めるために、あなたならどのように取り組みますか?
はい。学校の大半の時間を占める授業では、できたことを認めるのはもちろん、答えが違っていても途中まで考え方が正しいものなどをうまく探しだし、認めて褒めることをしていきます。
【2段階目の質問】
なるほど。では授業以外ではどのように取り組みますか?
はい。学級経営でも係活動を機能させていきます。また委員会活動なども学級に還元させて話し合う場も必要に応じて設けていきます。
多面的に多角的に考える視点を自動的に鍛えてくれます。
いつも小論文対策の記事で論点1と論点2を別視点から書きましょうとお伝えしていますが、ここにつながります。
上の例ではわかりやすく「教科指導」と「学級経営」という2つの観点での議論に広げてみました。
広さと深さはつながってくる
このように深く多面的に考えられるようになると、教員の仕事として当たり前にやっていること考えていることが、実はどの問題テーマにも通じるということが見えてきます。
この領域まで到達できると、ネタの使いまわしができるようになってきます。
ネタの使いまわしというとネガティブな印象を与えかねませんが、ある意味では必然なのです。
まとめ
いかがでしょうか。
教員採用試験に合格したいというのはわかります。
1次試験で小論文がある自治体、2次試験にある自治体、別枠で面接がある自治体など形式は様々ですが、点数化がしにくいこれらの試験もまずは小論文対策に落ち着いて取り組んで下さい。
きちんと対策をしようと思うと1~2ヶ月くらいはかかります。
熱意をもった若い先生の頑張りに期待しています!
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